必要とされること 2001.4.29


君は手塚が好きなんだね。

唐突にそう聞いてみた。

まさかと鼻で笑ったけど、ボクだって馬鹿じゃない。
君の瞳の向けられている先ぐらい分かってる。


二人目なんだ。ボクがこんなにも興味を持った人間は。
どんなことをしてでも君を手に入れたい。君を傷つけてでも。



コノテノナカデ キミヲ  ダキタイ


「不二先輩って何考えてるのか分からないから余計怖い」
「ボクのことを理解できる人間なんてそういないからね」
「笑ってても裏では痛いこと考えてるんでしょ?」

「やだなぁ、ボクを性悪い人間のように言わないでよ」
「嘘ばっか。今だってオレを襲うこと考えてたりするくせに」
「ボクは君が好きだけど襲おうとは思ってないよ。安心して。
君を傷つけてまで手に入れたいと思ってないから」 

「どうかな」


ゴメン。嘘。いつだってどうやって襲おうか考えてます。
でも越前君には全部お見通しなんだよね。


それはきっとボクと君は同じ人間だから。

必要とされなくなるのが怖いんだ。
天才と呼ばれることに自分の存在意味を感じ、
もっと必要とされたいと願う。


だから余計強いものに憧れる。
  
そう、君が手塚に想いを寄せるように。



 
だけど、君とボクは違う。

君は人を傷つけることはしない。




でも、ボクは。



ボクは欲しいものの為なら人を傷つけたって構わない。
必ずこの手に入れたい。
  

「越前君、ボクを野放しにしたことを後悔してもらうよ」
「オレ、もう帰ります」 
「ダメ。帰らせない。今、ボクは君を今日この手で抱くことにしたんだ」

ボクは越前君を強引に押し倒した。
君は心底イヤそうな顔をして。

「やっ・・ッ・・・先輩、ホントやめないとオレ不二先輩のこと嫌いになりますよ・・・!?」
「いいよ。ボクは絶えられる人間だから。手にいれさえ出来ればいいんだ」
「やめっ・・・っ・・くっ・・・」
「越前君、可愛いよ。すごく、ね。強気な君もいいけど、
ボクに抱かれる君もいいもんだね」


「・・鬼畜・・・悪魔・・・」

「フフ。よく分かってるじゃない。ボクのこと」


「不二先輩なんて大っ嫌い・・・」

君は涙を薄っすら浮かべて。

「その言葉、後で後悔するよ」
 
ボクは宣言どおり、越前リョーマをこの手で抱いた。


またひとつ欲しいものを手に入れた瞬間だった。















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痛いです(笑)これを書いた頃は不二リョはリョ→塚希望でした。
リョーマは手塚が好きで、でも不二さんはお構いなしにっていうのが
好きだったららしい。今だったら断然両想いだけどね(笑)
不二が興味を持ったはじめての人はもちろん手塚。(2002.10)